命式を出してみると、「木が3つ、火が0」のように五行の数が偏っていることがよくあります。ひとつもない五行があると、何か足りないのではと不安になる方もいるかもしれません。
けれども四柱推命では、五行のバランスは「良い・悪い」を決めるものではなく、その人の持ち味の出方を知る手がかりです。多い五行は強く表れやすい個性、足りない五行は外から取り入れていける要素、と考えます。
この記事では、命式の五行バランスの見方と、五行が多いとき・ないときの意味を、木・火・土・金・水の順に紹介します。
五行とは?木・火・土・金・水の基本
五行は、世の中のあらゆるものを木・火・土・金・水の5つの要素に分けてとらえる考え方です。それぞれの性質を大まかにまとめると、木は「伸びる・育つ」、火は「燃える・広がる」、土は「受け止める・安定させる」、金は「引き締める・区切る」、水は「流れる・蓄える」となります。
五行どうしには、2種類の関係があります。
- 相生(そうしょう):木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を育てる
- 相剋(そうこく):木は土を、土は水を、水は火を、火は金を、金は木を抑える
生み出す関係と抑える関係がぐるりと循環することで、全体のバランスが保たれる、というのが五行の基本的な考え方です。
命式の五行バランスの数え方
いちばんシンプルなのは、命式の8文字(天干4つと地支4つ)をそれぞれの五行に振り分けて数える方法です。天干は甲・乙が木、丙・丁が火、戊・己が土、庚・辛が金、壬・癸が水。地支は寅・卯が木、巳・午が火、辰・戌・丑・未が土、申・酉が金、亥・子が水です。
ただし、数え方にはいくつか流派の違いがあります。地支の中に隠れている「蔵干」まで含めて数える方法や、月の地支を重く見て点数をつける方法などです。そのため、サイトや本によって五行の数が少し違うことがあります。こよみ狐の無料の命式では、8文字にもとづいた五行の数を表示しています。
出生時刻がわからない場合は時柱の2文字が入らないため、6文字で見ることになります。時柱しだいで「ない五行」が埋まる可能性もある、という点は頭に置いておきましょう。
五行ごとに見る「多い」「ない」の傾向
ここからは、五行それぞれが多いとき、ないときに出やすい傾向を紹介します。どれも傾向の話なので、当てはまる部分を拾うつもりで読んでみてください。
木が多い・木がない
木は成長や向上心を表します。木が多い人は、前向きで新しいことを始めるエネルギーにあふれ、計画をどんどん広げていけるタイプ。ただ、伸びようとする力が強いぶん、意地を張ったり、ほかの人と張り合ったりしやすい面もあります。木がない人は、自分から先頭に立つより、周りの流れを見て動くことが多いかもしれません。新しい挑戦は、信頼できる人と一緒に始めると踏み出しやすくなります。
火が多い・火がない
火は情熱や表現力、華やかさを表します。火が多い人は明るく、感情表現が豊かで、人を惹きつける魅力があります。そのぶん熱くなりやすく、気持ちが先走ることも。火がない人は、落ち着いていて冷静に見られやすいタイプです。気持ちを表に出すのが控えめなので、「ありがとう」「うれしい」を言葉にしてみると、思った以上に気持ちが伝わります。
土が多い・土がない
土は安定や信頼、受け止める力を表します。土が多い人はどっしりとしていて、まわりから頼られる存在です。ただ、慎重さが行き過ぎると、なかなか動き出せなかったり、変化を避けたりすることもあります。土がない人は、身軽でフットワークが軽い反面、気持ちの拠り所を探しがち。生活のリズムや習慣を決めておくと、心が落ち着きやすくなります。
金が多い・金がない
金は決断力や規律、物事の区切りを表します。金が多い人は白黒がはっきりしていて、ルールを守る誠実さがあります。一方で、自分にも他人にも厳しくなりやすいところがありそうです。金がない人は人当たりがやわらかく、柔軟に対応できるタイプ。ただ、区切りをつけたり断ったりするのが少し苦手かもしれません。期限を自分で決めておくと、迷いが減ります。
水が多い・水がない
水は知恵や柔軟さ、流れを表します。水が多い人は考えが深く、情報を集めて分析するのが得意です。その反面、考えすぎて行動に移すまで時間がかかることも。水がない人は、頭で考えるより先に体が動く行動派です。勢いがある一方で、一度立ち止まって振り返る時間をとると、経験がより深く身につきます。
五行が「ない」のは悪いことではない
8文字に5つの五行を振り分けるのですから、どれかが0になるのはごく自然なことです。ない五行があることを、欠点や不運のしるしと受け取る必要はありません。
むしろ、ない五行は「まっさらで、外から取り入れられる部分」とも考えられます。また、運気は10年ごとの大運や毎年の運でも巡ってくるため、命式にない五行がめぐってくる時期には、それまでと違う一面が引き出されることもあります。
反対に、多い五行もいいことばかりとは限りません。強すぎる要素は、ときに持て余してしまうこともあります。大事なのは数の多さそのものより、全体の中でどう働いているかです。
バランスを見るときに押さえたい2つの視点
五行の数を見たら、次の2つもあわせて確認すると読み方が深まります。
ひとつは、日干の五行との関係です。たとえば日干が甲(木)の人にとって、水は木を育ててくれる五行、金は木を引き締める五行にあたります。同じ「水が多い」でも、日干が何かによって意味合いが変わってきます。この関係を10種類に分けたものが通変星で、通変星(十神)とは?でくわしく解説しています。
もうひとつは、生まれた季節です。春は木、夏は火、秋は金、冬は水の勢いが強い季節とされ、季節の変わり目は土の時期にあたります。数が同じでも、季節に合った五行は力が強く、季節に合わない五行は控えめに働くと考えます。
足りない五行との付き合い方
足りない五行は、日々の暮らしの中で意識してみるのもひとつの楽しみ方です。たとえば木なら植物を育てたり緑の多い場所を歩いたり、水なら水辺に出かけたりと、五行のイメージに合ったものに触れてみるのです。五行と色を結びつけて、身につける色を選ぶ人もいます。
こうした取り入れ方は、運命を変えるおまじないというより、自分の傾向を意識するきっかけとして気軽に試すのがおすすめです。足りない五行が表す「行動のくせ」を知り、苦手な場面で少し工夫してみる。そのほうが、毎日の役に立ちやすいはずです。
まとめ
- 五行は木・火・土・金・水の5つで、生み出す関係(相生)と抑える関係(相剋)がある
- 命式の8文字を五行に振り分けると、自分のバランスがわかる(数え方は流派で多少異なる)
- 多い五行は強く出やすい個性、ない五行は外から取り入れていける要素
- 日干との関係や生まれた季節もあわせて見ると、バランスの意味がより立体的になる
ご自分の五行の数は、無料の命式ですぐに確認できます。命式の基本を知りたい方は命式の見方入門もあわせてどうぞ。五行のバランスが性格や運の流れにどう表れているのかを詳しく知りたいときは、こよみ狐の鑑定書で、あなたの命式に合わせた読み解きをお届けします。